日本で『ハイキング』というと、簡単な山歩きをイメージされがちですが、カナダでは気軽な山歩きから無雪期の本格的な登山のレベルまで、幅広い意味で使われています。ニュージーランドでよく使用される『トレッキング』という言葉も、カナダではハイキングの一種として扱われます。
整備されている登山道もあれば、茂みの中もある。乾いていたり、雪の上だったり、標高差も1000mを超えるハイキングもあります。つまり、本格的にロープなどを使用する登山以外は、全てハイキングと言ってよいでしょう。
カナダの山旅を表すキーワードはウィルダネス=Wilderness(原生自然)。今なお原始のままの姿で残る大自然を体感してください。
カナダの大自然は野生動物の宝庫。一歩大自然の中に踏み入れれば、動物達の気配を感じずにはいられないでしょう。大型の動物に遭遇するのも珍しくはありません。
山中で見かける高山植物の豊かさも忘れてはなりません。『アツモリソウ』など、日本の山では見ることが難しくなった希少種にも出会うことが可能です。
難易度に関わらず、コース上には標識が少ない為、事前に地図などでコース内容を調べておく必要があります。また、町のインフォメーション・センターに立ち寄り、天気や目的のコースのトレイル・コンディションなどを調べておくことも大切です。トレイルの状態が悪いことや、熊などの危険な野生動物の出没で、コースが閉鎖されることもあります。また、快適に歩く為の装備も事前にチェックしましょう。熊と遭遇したらどのように対応するかを知っておく事も大切です。
国立公園に入る際には、入園料を支払う義務があります。この代金は自然を保護する為の管理費用や、動植物の調査などに利用されます。
個人でレンタカーを利用する場合は、ハイウェイ沿いある公園ゲートの料金所で支払うか、バンフなどの国立公園内の町にあるインフォメーション・センターで支払います。また、キャンプ場に滞在する際は届出と共にキャンプ使用料を支払います。
登山口の多くはハイウェイから少し山に入った所にあり、登山口まで行く公共のバスなどはありません。レンタカーを利用するか、もしくは、ハイキング・ツアー会社の専用車両を利用するのが一般的です。バンフなどの町の近郊であればタクシーを利用することも可能ですが、登山口に公衆電話がある所が少ないため、事前に迎えに来てもらう時間を告げておく必要があります。